【完全ガイド】梅仕事で夏を乗り切ろう!梅干し・梅ジュースの作り方とその効用

はじめに
青梅が店頭に並ぶ季節になると、日本では古くから「梅仕事」と呼ばれる年中行事が始まります。梅仕事とは、その年に収穫された梅を使って梅干し、梅酒、梅ジュースなどの保存食を作ることです。この伝統的な作業は、ただ美味しい食べ物を作るだけでなく、梅の持つ素晴らしい健康効果を一年中楽しむための智慧でもあります。
今回は、梅仕事の代表格である梅干しと梅ジュースについて、その効用から作り方、活用法まで詳しくご紹介します。
梅の持つ驚くべき効用

基本的な梅の栄養価(日本食品標準成分表八訂に基づく)
梅には私たちの健康を支える多くの成分が含まれています
主要成分(生梅100gあたり)
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エネルギー: 33kcal
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カリウム: 240mg(リンゴの約2倍)
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鉄: 0.6mg(リンゴの約6倍)
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ビタミンE: 3.3mg(リンゴの約33倍)
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食物繊維: 2.5g
梅の特徴的な酸味成分
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クエン酸: 梅の主要な有機酸(4~6%含有)
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リンゴ酸: 青梅に多く含まれる
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コハク酸: 少量含有
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ポリフェノール: ネオクロロゲン酸、クロロゲン酸など

梅に期待される健康効果
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疲労回復: クエン酸がエネルギー代謝を促し、疲労物質の蓄積を防ぐと言われています
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食欲増進: 酸味が唾液分泌を促し、消化酵素の分泌を高めることで食欲増進が期待されます
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カルシウム吸収促進: クエン酸のキレート作用により、ミネラルの吸収を助けると考えられています
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血流改善: 梅を加熱するとムメフラールという成分が生成され、血流改善効果が期待されています
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抗酸化作用: ポリフェノールによる抗酸化作用が研究されています
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体内のpHバランス調整: アルカリ性食品として、酸性に傾きがちな現代人の体質改善に役立つと考えられています
※これらの効果は研究段階のものも含まれており、個人差があります。持病をお持ちの方は医師にご相談ください。
第1章:梅干し作りの極意
梅干しは梅の効果をさらに凝縮した健康食品です。塩で漬けることで梅の成分が濃縮され、保存性も高まります。
基本の梅干しレシピ
材料(約1kg分)
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完熟梅:1kg
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粗塩:150〜200g(梅の15〜20%)※塩分濃度が高いほどカビにくくなります
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赤しそ:200g(お好みで)

作り方
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下準備
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梅を一つずつ丁寧に水洗いし、ヘタを取り除く。
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清潔な布巾で水気を完全に拭き取る。(自然乾燥でもOK)
※ヘタを取った部分はカビやすいので、特にしっかりと水分を拭き取ることが重要です。 -
容器は熱湯消毒またはアルコール消毒をしてから使用する。
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漬け込み
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容器の底に塩を振り、梅を一段ずつ重ね、塩と交互に入れていく。
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最後に塩をかぶせ、落し蓋をして重石(梅の2倍の重さ)を載せる。
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冷暗所で保存し、2〜3日で梅酢が上がってくる。
※梅酢が上まで上がってくるまでは、容器を優しく揺すり、上の梅にも梅酢をまぶすと良い。
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土用干し
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梅雨明け後の土用の頃(7月下旬)、晴天が3日以上続く予報の日に開始する。
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ザルに梅を並べ、日中は天日干し、夜もそのまま干しておく。
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3日間繰り返すと梅干しの完成。
※しっとりした梅干しが良い場合は、お好みで梅酢に一度くぐらせると良い。
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成功のポイント
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梅は黄色く熟したものを使用する。(青梅だと皮が硬くなる)
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塩は精製塩ではなく、粗塩を使用する。
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梅酢が上がらない場合は、梅酢を追加する。
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カビ防止のため、清潔な環境で作業を行う。
梅干しの活用法・レシピ

梅干しおにぎり
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ご飯に梅干しを入れて、海苔で巻く
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梅の酸味がご飯の甘みを引き立てる
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防腐効果も期待できる

梅干し入り鶏のさっぱり煮
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鶏手羽元、梅干し、醤油、みりん、酢で煮込む
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さっぱりとした夏にぴったりの一品

梅干し入り冷やし茶漬け
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冷たいだし汁に梅干しを入れ、ご飯にかける
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夏バテ時の食欲回復に最適

梅干しドレッシング
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梅干しの果肉、オリーブオイル、レモン汁、はちみつを混ぜる
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サラダや冷しゃぶに合う
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梅干しをつけた後の梅酢も活用しても◎
第2章:梅ジュース作りの楽しみ
ノンアルコールで子どもから高齢者、みんなで楽しめます。水で割るだけで気軽に飲むことができ、前述した梅の持つ効果を期待することができます。
梅ジュースの基本レシピ
材料(約1リットル分)
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青梅:1kg
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氷砂糖または砂糖:1kg

作り方
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下準備
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青梅を丁寧に水洗いし、ヘタを取り除く。
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青梅につまようじで数カ所穴を開けるか、冷凍庫で24時間以上凍らせる。(冷凍することで細胞が壊れ、エキスが出やすくなります。)
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漬け込み
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清潔な保存瓶(熱湯消毒またはアルコール消毒したもの)に、青梅と氷砂糖(または砂糖)を交互に重ねて入れる。
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蓋をして冷蔵庫で保存する。
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完成まで
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1〜2週間ほどで飲めるようになります。
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毎日1回、瓶を軽く揺すって砂糖を溶かすと、均一に仕上がります。
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成功のポイント
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発酵を防ぐため、必ず冷蔵庫で保存してください。
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青梅を冷凍すると、短期間でエキスが出て失敗が少なく、初心者の方におすすめです。
梅ジュースの楽しみ方

基本の飲み方
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水割り: 4-5倍希釈が目安
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ソーダ割り: さっぱりとした味わい
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お湯割り: 冬の温かい飲み物として
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牛乳割り: 子どものおやつに
梅ジュースを使ったアレンジレシピ

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梅ジュースゼリー:梅ジュースとゼラチンを混ぜて冷やし固めれば、夏のデザートに。

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梅ジュースかき氷:かき氷に梅ジュースをかければ、夏のひんやりスイーツに。
まとめ:梅仕事で豊かな一年を

梅仕事は、自然の恵みを最大限に活用し、一年を通じて健康を支える日本の素晴らしい文化です。手間はかかりますが、その分愛情を込めて作った梅干し・梅ジュースは、市販品では味わえない特別な美味しさがあります。
また、梅の持つ豊富な栄養成分は、現代人の健康課題である疲労回復、食欲不振、免疫力低下などに対する自然な解決策となります。毎年6月の梅の季節に、家族みんなで梅仕事を行うことで、季節を感じ、日本の文化を次世代に伝えていくこともできるでしょう。
今年こそ、梅仕事に挑戦して、健康で豊かな食生活を送りませんか?最初は小さな容器から始めて、慣れてきたら本格的な梅仕事を楽しんでください。きっと、手作りの梅の恵みが、あなたの食卓と健康をより豊かにしてくれることでしょう。
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